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EVA零号機 機体名 EVA零号機 全長 40.0m 主武装 ハンドガン EVA専用に作られた拳銃。さりげなく劣化ウラン弾頭なのが怖い。 ブログレッシブナイフ EVA用のナイフ。刃が振動しており切れ味がいい。 パレットライフル EVA用に作られたマシンガン。ハンドガン同様劣化ウラン弾頭を使用。 ポジトロンライフル EVA用のプラズマ弾頭の大砲。 ポジトロンスナイパーライフル ヤシマ作戦の時に使用された大型砲。電力消費がすごい。 N2地雷 核を使用した地雷。正直危なすぎ。 N2爆雷 核を使用した爆雷。綾波はこれをもって特攻した。こんなもん使えば一ブロック丸々廃墟にできるかも。 特殊装備 A.T.フィールド EVA特有のバリア、核も防げる。突破口は同じA.T.フィールドで中和するか、超電磁スピンのような大技で貫くか。A.T.フィールドとは人間の心の障壁であり、人が自我を持つための壁でもある。全ての人間がこれを解き放つと……詳しくは劇場版エヴァで 盾 零号機がヤシマ作戦を開始する際に所持した。だが持ってるか微妙。 アンビリカルケーブル EVAの背中に接続されたケーブル。これから電気供給され、稼動することができる。これがはずされると5分しか活動できなくなる。 移動可能な地形 空中×、陸地○、水中△、地中× 備考 ネルフが作り上げた対使徒用兵器。正式名称『汎用人型決戦兵器人造人間エヴァンゲリオン』である。な、長い……なお、EVAは福音の意を持つ。あまりアテにならないことで有名なwikiによると、『EVA(イヴ・生命の母)+ANGEL(使徒)+LIONの略』だそうだ。14歳以下の親がいない少年少女、通称チルドレンのみが搭乗することができる。一万四千の特殊装甲とA.T.フィールドも相まって相当硬い反面、装甲の多さが命取りかトロイ。また元の機体の色は山吹色だったがヤシマ作戦の時に装甲が剥がれ落ち、色を水色に変えた。
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ギム=ギンガナム 氏名 ギム=ギンガナム 性別 男 出典 ∀ガンダム 人称 一人称:小生 二人称:貴殿、貴様、お前、おぬし 三人称:奴 特殊技能 2500年もの時を渡り演習を重ねてきたため戦術には長ける……筈だが、作中の描写では実戦経験の不足故にヘマの方が多かった気がする。あと、常に帯刀してる割には剣を使った戦いでもロランを圧倒した訳でもなく。『かっこつけるだけで戦いの下手なギム=ギンガナム』とは、メリーベルもよく言ったものである。発掘以来研究していたとはいえ、ターンXを初搭乗で乗りこなしたあたり機体適応能力は高いように思える。 性格 あらゆる時も闘争を求める武人で、物言いは基本的に尊大。 備考 月面都市ゲンガナムを守る軌道艦隊総司令を勤めるムーンレィス(月の民)。武力を司る名門ギンガナム家の名の下、月のマウンテンサイクルで発掘されたターンXを駆り、自身の艦隊を率いて地球・ムーンレィス連合軍へと戦いを挑んだ。原作では後半からの出番ではあったが、富野節と子安ボイスの絶妙な組み合わせが幾多の名言(迷言)を生み出し、結果数多くの視聴者から『御大将』と呼ばれ愛されるキャラクターとなった。
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全体マップ MAPの一ブロックは50km四方です。 MAPの東西南北の端は光の壁で覆われていますが、通過すると反対側の端に通じています。 マップ画像 現在地一覧(181話)
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――こんなんで死ぬもんかっ! 私は! ■■と幸せになるんだぁぁああああああっっっ!!―― 虫のいい話だったのはわかってる。 俺もテニアも、ここでたくさんの人を傷付けてきた。 Jアークの奴らが俺やテニアを人殺しだって憎むのは当然だよな。それだけの事をしてきた。 俺があいつらの立場でもそうする。 ――良かった……会えて、本当に良かった……!―― でも、俺とテニアは出会ってしまった。 ここで、カティアもメルアもいない殺し合いの世界で、俺達だけが。 ――アタシ信じてたからさ。■■が助けに来てくれるって―― テニアは俺を信じるって言ってくれたよな。 俺も、テニアを信じようって……お前が何をしてきたか知っても、それでもお前を守ろうと思ったんだ。 ――……■■、何だか印象、変わったんじゃない?―― 既に一人、殺してるからな。そりゃ色んなものが変わったと思う。 きっと俺はあの女の人を忘れる事は出来ないだろう。この先何十年生きれるとしても、絶対に。 でも後悔はなかった。あの時ああしなきゃ俺は死んでたかもしれない。 そしたらテニア、お前に再会する事も出来なかったはずだから。 ――またこうして■■と話せるなんて夢なんじゃないかっておもっちゃうくらい―― ああ、俺もそう思った。 一人で生きていく決意なんて脆いもんだよな。お前が隣にいる、それだけですごく幸せだったんだ。 ――ねぇ、■■……アタシもさ、■■と一緒に生きたい。生き延びたい。もっと二人で色んなことしたい―― 俺もだよ、テニア。 俺もずっと、お前と一緒に生きていきたい……それだけでいいんだ。他には何も望まない。 ――ねぇ■■、もっと強く抱きしめてよ。何もかも忘れちゃうくらいに、強く……―― ああ……わかってる。 もう離さない……俺は絶対に、お前を一人にはしないよ。 ――……、■■……ッ―― え? 何て言ったんだよ、聞こえないぞ。 テニア。おい、テニア? 「……」 え? 「……や」 何だって……聞こえないよ。 「……うや」 もうちょっと、大きな声で言ってくれ。 「統夜」 統夜……ああ、そうか。 俺の名前だ。誰かが俺を呼んでるのか。 「夢は、見れたか?」 「……ああ」 なんだ、俺を呼んでたのはこいつかよ。最悪の気分だ。 俺はゆっくりと身を起こした。 頭がガンガンする。脳が痛いってこういう事なのか? いや……血も出てるじゃないか。 「呑気なもんだな、お前はよ。せっかく火が点いたかと思えばコテンと寝ちまいやがって。ダンスの相手を待たせるなんざ、男の風上にも置けねえぜ」 「そりゃ、悪かったな。別に俺を待たなくても、あんたのお相手は他にいくらでもいたんじゃないのか?」 「俺はお前を指名したんだぜ? 今さら他の奴に鞍替えするほど俺は尻軽じゃねえよ」 ああそうかよ、と込み上げてきた血を唾と一緒に吐き出した。 ヴァイサーガの身を起こす。ダイゼンガーは悠然と腕を廃ビルに座り込んで待っていた。 「どうだ? 少しは頭が冷えたか?」 「お陰様でね。頭に昇ってた血が程よく抜けて、スッキリした。でも、起きてすぐあんたの声を聞いて、気分悪くなったかも」 「そりゃ済まねえな。あいにく俺はテニアの嬢ちゃんじゃねえんだ、我慢しな」 テニア――そうか、テニアの夢を見たんだ。 そのおかげかもしれない。 先程まで見えていなかった周りの地形や俺とガウルンの機体の状態、すごくよくわかる。 さっきまで頭の中いっぱいに広がっていた怒りも、今は鳴りを潜めている。 でも消えてなくなった訳じゃない。 多分だけど、火は赤い部分よりも青い部分の方が実は温度が高いように、俺の一番奥の部分で今も燻っているのだろう。 高温の炭のように、パチパチと。触れたもの全てを焼き尽くす、灼熱のマグマになって。 「俺はどれくらい寝てたんだ?」 「そうだな……30分ってなところだ」 「そんなに? やっぱり、疲れてたんだな」 呑気に言ってはみたものの、俺の身体中あらゆるところが悲鳴を上げてる。 ヴァイサーガもほぼ全身にダメージを受けて機能停止寸前だ。くそっ、少しは手加減しろよ。 それに、何か向こうで大変な事が起こったらしい。空に大穴が空いている。 宇宙。そう、紅い宇宙が見える。あれはもしかしてこの世界の外側なんだろうか。 星のない宇宙なんて初めて見たな。オーロラ、のような光が代わりに波打ってる。 きれいだな――ヴァイサーガの足を半歩だけ弾いた。自然、ヴァイサーガの身体も半歩分だけ後ろに引っ張られる。 轟、とダイゼンガーの剣がヴァイサーガの頭があった位置を通り過ぎて行った。 一瞬遅ければ首から上は無くなっていたかもしれない。 「お? よく避けたな」 「ガウルン、あんたどこか悪いのか? 踏み込みが足りないぞ」 落ち着いてよく見ればすぐにわかる事だった。 ダイレクト・モーション・リンク――とか言ったっけ。ダイゼンガーの操縦システムは操縦者の動きをトレースする物らしい。 生身でも一流の傭兵であるガウルンにはまさにぴったりのシステムだ。 でもそれは、逆に言えば操縦者の不調をも完璧に表現してしまうシステムでもある。 足を踏み込んだり、剣を振り回したり。 ダイゼンガーが大きな動きをする時、必ずそこに一瞬の停滞が生まれている。 さっきまでの俺は攻めることしか考えてなかったからわからなかった。 ガウルンは、自分から動かずに俺のカウンターを取る事しかしてこなかったって事に。 「何だぁ、やっと気付いたのかよ。言ったろうが、俺は棺桶に片足突っ込んでるようなもんだってよ。 なのにお前と来たらアホみたいに突っ込んで来るばかりでちっとも隙を突こうとしねえ。舐められてるのかと思ったぜ」 「病人は労わるものだろ」 「抜かせ。で……統夜よ、わかってるだろ?」 「ああ」 そう、わかってる。 俺もガウルンももう限界だ。 ダイゼンガーがあの態勢だったってのはつまり、ガウルンも同じく座り込んでたって事だ。 もう立ってるのも辛いんだろう。現にその剣を握る腕は小刻みに震えている。 俺は身体は大丈夫でもヴァイサーガがいつ止まるか分からない。 ガウルンは機体は大丈夫だが、本人がアウト。 そう――どうなるにせよ、次が最後だ。 「あーあ、お前が眠ったりしなきゃもっと楽しめたのによ。」 「悪かったよ。お詫びに――最後くらい、弟子の成長を師匠に教えてやるさ」 「ハハッ、言うじゃねえか。よし、やるか」 ダイゼンガーが調子を確かめるように二、三度剣を振るう。 俺もヴァイサーガを後方へと下がらせ、助走の距離を取った。 対峙するのはもう何度目かもわからない。 戦場の師、背中を預けた戦友、愛する女の仇。いくつもの顔を持つ男。 俺の前に現れた、高くて遠い壁。 越えて行かなきゃ――叩き壊さなければ進めない。 朱に染まる世界の中で騎士と武者が剣を構えて向き合っているこの光景は、中々様になってるんじゃないだろうか。 俺の頭の中から全ての音が消えていく。 体中の痛みも、ガウルンへの憎しみも、テニアへの想いも、今この瞬間だけはゼロになる。 視界は狭まり、ダイゼンガーだけを捉えそれ以外は意識的に消していく。 ダイゼンガーが剣を大上段に構える。身長差、リーチ差から考えてもそれが最善の一撃だろうと思う。 俺は、あえてその誘いに乗る。 だらんと腕を下ろした自然体。構えも何もない。 「統夜。言っとくが、今のままじゃ俺には勝てねえぞ? 速く当てるだけじゃダイゼンガーの装甲は貫けねえ」 「わかってるよ。俺が今から見せるのは、ただの光刃閃じゃない。 あんたから教わった事、戦いの中で俺が見出したもの、そして俺自身――全部、あんたにぶつけてやる」 「……そうかい。なら俺も手加減なしだ」 「そう言えば、一つ聞きたい事があったんだ」 「あん? いいぜ、大サービスだ。何でも答えてやるよ」 「ガウルン、ってどういう意味なんだ?」 「ん……そんな事か。ただの偽名だよ。漢字で書くと九つの龍だ」 「九つの龍……怖い名前だ。あんたにはぴったりだな」 「そりゃどうも。さて――もう、いいか?」 「ああ。終わりにしよう……ガウルン」 その言葉を境に俺とガウルンの間の空気が張り詰める。 ここから先に必要な物は言葉ではなく、剣だ。 ガウルンの言ったとおり、正面からでは光刃閃といえどもダイゼンガーを両断する事は出来ないだろう。 装甲の強度もあるが、あのガウルンが身体に欠陥を抱えているからと言ってみすみす直撃を許すはずもない。 勘だが、ガウルンは剣で勝負してくるだろう。 正々堂々なんて言うやつじゃないが、武装に頼って勝つなんてやり方じゃ面白くない。あいつはそう思ってる、と俺は思う。 自分から攻め込めないガウルンの打つ手は、飛び込んできた俺が刃を振り切る前に斬る――あるいは同時でもいいか。 先がないガウルンにとって引き分けも勝利の内だ。でも、俺はそうはいかない。 ガウルンを倒し、かつ生き残らなければいけない。そのために必要なのは。 今までの戦いを思い起こす。 ギンガナムに追われた時。誰に狙われるかわからないこの場で大はしゃぎで名乗りを上げ、凄まじい存在感を見せつけられた。 湖でアキトって奴と戦った時。俺は機体を過信して突っ込み、手痛い反撃を喰らった。 市街地で白いガロードと戦った時。向こうはヴァイサーガの半分くらいのサイズでしかも素手だったのに、手数で圧倒されたっけ。 そして白いドリル付きと、さっきまで戦ってた鳥型に変形する機体。 両方ともすごい速さだった。しかもあのスピードを完全に制御していて、振り回されてもいない。 その戦いの全てが、今の俺に必要な動き。 ダイゼンガーに力で劣るヴァイサーガの唯一の武器、スピードを最大限に活かす動き。 理想の動き。その辿る道筋が、今の俺にははっきりと見える。 頭の中に浮かんだモーションを、ダイレクト・フィードバック・システムが忠実に拾い上げ実行へと移す。 最初にして最後の一歩を、踏み出した。 「ヴァイサーガ、フルドライブ……ッ!」 「来な、統夜! テニアの仇を取って見せろ!」 烈風の如く叩き付けられるガウルンの闘気。 対抗するんじゃない――受け流す、風に揺れる木の葉のように。気配の出所を読まれないために。 そのまま無造作にダイゼンガーへと歩みを進める。 一歩。 二歩。 三歩。 四歩――そして十歩目。もうここはダイゼンガーの間合い。 俺が何かを企んでるとガウルンはわかっていただろう。それでも、師は真っ向から剣を振り下ろしてきた――俺に付き合ってくれた。 今にも俺を容易く肉の塊に変える鉄塊が降って来るとわかっていても、怖くはない。 散々ガウルンに教えられたから。恐怖を飼い慣らし、制御する事は。 白銀の輝きがヴァイサーガを頭から断ち割る。 ヴァイサーガの……瞬間的に後方へステップを踏み、そして同じく一瞬で元の位置に戻ったヴァイサーガの残像を。 剣を振り切ったダイゼンガー。隙だらけだ。 ダイゼンガーとヴァイサーガが顔を突き合わせた。 ガウルンは――多分だけど、笑ってるだろう。 剣が振り上げられる前に。 ヴァイサーガが再び一歩下がり、瞬時にその一歩をもう一度踏み込む。 一瞬の加速。ゼロからトップスピードへ。 イメージするのは白いドリル付きと変形する機体。あのスピードを超える――! その瞬間、世界が止まった気がした。 腕を上げようとするダイゼンガーのその動きが止まって見える。 風の音が止み、周りの全てを知覚するような感覚。 永遠に感じられるような一瞬の中で俺は走った。 ――――――――斬。 ダイゼンガーが剣を振り下ろしてから時間にして二秒くらい。 俺は…… 「……ク、ククッ。よくやっ……たな、統夜。それで……いい、んだ」 振り向く。 そこにいるダイゼンガーは先程と何ら変わりなく健在。 「今のが……お前の、奥の手……か?」 「ああ。合格かい?」 「文句ねえな……ばっちり、だ」 「それは……良かった」 ダイゼンガーの右腕が落ちた。 同時に左腕、頭部。 左足が崩れ、右足も同様に。 ダイゼンガーの巨体が地に倒れ伏す。 「何回……、斬った?」 「九回だよ」 「ハハッ……狙ったのか? 『ガウルン』……九つの、龍だからっ……てよ」 「偶然だよ。あれが俺の精一杯だ」 「そう、かい。九体の分身が……瞬間、同時に斬り付ける。見事なもんだ……一歩も動け……なかったぜ。 名前を……っは、付けるとしちゃあ……さしずめ九頭龍――九頭龍光刃閃、って、ところ……か」 「九頭龍光刃閃……いい名前だ。覚えておくよ、ガウルン」 「悪くねえ……死に様だ。ああ、最期に……いい、もんが……見れた」 満足がいったというような、ガウルンの声。 バラバラになったダイゼンガーのパーツが、今頃になって爆発しだした。 腕、足、頭部、そしてついにコクピットのある胴体が―― 「楽し……かった……ぜ。じゃあな……と……や」 砕け散った。 俺を鍛え、踏み付け、弄び、大事な人を奪い嘲笑った男の命が消え去ったのだ。 でも――見届けた俺の胸には感慨も何もない。 おかしいな。テニアの仇を討ったのに。 俺はそれだけ、それだけあの男を心のどこかで認めていたのだろうか? わからない。もう、答えを教えてくれる奴はいない。 テニアも、ガウルンも、もういない――。 「でも、やらなきゃいけない事だけは……わかる」 ガウルンの残したダイゼンガーの剣を拾う。 一人になった今、俺にできる事は。 決まっている。 戦うんだ。 テニアを生き返らせるために。 生き残ってる奴、みんな殺すんだ。 ガウルンの言ったとおり、何も考えずこの心がそうと感じるままに剣を振るう。 誰が相手だって構わない。赦されないってわかってる、でもそれがどうしたって言うんだ。 テニアが生き返る――その結果さえあればいい。 だから、だから俺は―― 「待ってろ、テニア。すぐに会える……すぐに、起こしてやるからな」 暗い決意だけを胸に、空の大穴、その真下へと駆けだそうとして――唐突に起こった地震に足を取られ転倒するヴァイサーガ。 同時に空を染め上げる白銀の閃光。それを直視する事無く、、俺の意識は闇に落ちていった。 →The 5th Vanguard
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人とコンピューター ◆IcNDxBraWs 「おい、コンピューター!この機体についての説明は今ので終わりだな?」 「ああ、そうだ。そして私の名前はコンピューターではない。トモロ0117だ。」 「は!そんなことはどうでもいいんだよ。」 B-3の上空を飛行する機体、いや戦艦と呼ぶべきか。 白き箱舟Jアークの艦内で金髪の青年、ジョナサン=グレーンは喋っていた。 彼と会話しているのはJアークの制御コンピューター・トモロ0117。 「ク、クフハハ!どうやら俺は当たりを引いたようだな!バロンズゥをも上回る力!!フハハハハハ!!」 ジョナサンはトモロからこの機体の武装、出力そしてキングジェイダーへの変形の説明を聞き、その内容に歓喜した。 「おい、コンピューター!そのキングジェイダーとやらにはどうやってなるんだ?え?」 今だこの機体を引いた幸運に酔いながらジョナサンは尋ねる。 だが・・・ 「だから、トモロ0117だといっている。それと・・・お前がキングジェイダーへの変形を行うことは出来ない。」 「・・・あ?なんでだよ?」 トモロの言葉を聞きジョナサンはその理由を尋ねる 「お前のような心の持ち主ではキングジェイダーへの変形など出来ない。それが理由だ。」 「はぁ!?何ふざけたこと言ってやがる!!俺の何が悪いんだよ!!」 さっきまでの幸福感など吹き飛び、ジョナサンは激昂した。 「この殺し合いで!これだけの力!俺に使えないはずなどないっ!!さぁ教えろ!コンピューター!!」 叫ぶジョナサンにトモロはあきれたように言う。 「言うだけは言おう。今お前の立っている所でフュージョンと言ってみろ。」 「ハハっ!初めから言ってればいいんだよ!!」 変形の方法を聞き出し機嫌がよくなったジョナサンは早速試してみる。 「フュージョンッ!!」 しかしジョナサンの声が空しく響いた以外に変化はない。 「フュージョンッッ!!!!」 もう一度言ってみる しかし相変わらず艦内にはJアークの稼動音しか聞こえない。 「・・・キサマァッ!!この俺になんて事をさせやがる!!何も起きないじゃねぇか!!!」 再び激昂しトモロに向かって叫ぶ。 「お前には出来ないといっただろう。勇気を持つものならジェイダーへとフュージョン出きるはずだ。」 「勇気だと!?この俺が臆病者だと言うのか!!」 冷静に答えを返すトモロにますます頭に血が上り激しく言い放つ。 しばらくジョナサンがトモロに向かって自分がキングジェイダーへの変形を行うことが出来ないことの苛立ちをぶつけていた。 「だいだいこんな物を使うのにに勇気なんて必要なものかよ!!バロンズゥは・・・」 「まて、前方に他の参加者の機影がある。」 突然の報告にジョナサンが黙る。 「どこにいるんだよ?」 「前方だと言っただろう。人型機動兵機のようだ。」 それを聞きジョナサンがしばらく黙る。 モニターに映された白い機体を少しばかり見て。 そして言う。 「戦えそうかよ?」 「戦えないとは言わない。だが戦いずらいだろう。」 「・・・ほんとに俺ではキングジェイダーへの変形はできないんだな?」 「くどいぞ。」 「・・・っち!!役立たずが!!」 「私がいないとこの艦は機能を十分に発揮できないぞ。」 「あ!?なんだと!?」 またもや口論になりかけたその時 「あ、あの・・・すみません。あなたはこのゲームに乗った人ですか? 乗っていないのなら・・・よければなんですけどこのゲームから逃げるために協力しませんか?」 通信から聞こえた声は少年のようだった。 【ジョナサン・グレーン(ブレンパワード) 搭乗機体:Jアーク(勇者王ガオガイガー) 現在位置:Bー4上空 パイロット状態:健康 (少し怒り気味) 機体状態:良好 (キングジェイダーへの変形は不可) 第一行動方針:とりあえず生き残る 最終行動方針:???】 【キラ・ヤマト(機動戦士ガンダムSEED) 搭乗機体:ガンダムF-91( 機動戦士ガンダムF-91) 現在位置:B-4陸地 パイロット状態:健康 機体状態:良好 第一行動方針:ゲームに乗ってない参加者を見つける 最終行動方針:ゲームから抜け出す】 【初日:12 15】 BACK NEXT 護るために 投下順 若い、黒い、脅威 人間様をなめるなよ 時系列順 悪の美学 BACK 登場キャラ NEXT Opening キラ 東北東に進路を取れ ジョナサン 東北東に進路を取れ
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百式 機体名 百式 全長 18.5m 主武装 ビームサーベル×2 普通のビームサーベル。 ビームライフル 普通のビームライフルだが、ΖΖにおいてジュドーがサーベル(俗に言うロングビームサーベルか?)として使った。 60mmバルカン砲×2 頭部バルカン。こいつも一応ガンダムだし。使い道は他のガンダム系の機体のバルカン参照。 クレイ・バズーカ バズーカ砲。弾数はおおよそ六発。 メガ・バズーカ・ランチャー 百式といえばこれ、と思う人も多いだろう。母艦から射出され、セットした後に発射する。大きさはMS並み。連射はほぼ不可だが劇場版かなんかでメタスのエネルギーを使って連射した。なお、母艦から射出される武装なので、当ロワでは使えないかも…… 特殊装備 ビームコーティング 対ビーム緩和装甲。百式の金色はこのコーティングのためである。 移動可能な地形 空中×、陸地○、水中△、地中× 備考 Ζ計画の中で作られたモビルスーツ、別名称δ(デルタ)ガンダム。γ(ガンマ)ガンダムことリック・ディアスの後に開発された、リック・ディアスよりガンダムっぽい。 当機体の名前の元は100番目に作られたからというとても簡単なもの。金色、肩に百の文字などで戦場では狙われ的になったが、クワトロ・バジーナ大尉の実力も相まってことごとく返り討ちにしてきた。元来可変式MSとして開発されたが、変形するとフレームが歪むという問題が発生したためオミット、代わりに基礎能力を底上げした。またリックディアスの後に作られたがこの機体は元々Mk-Ⅱのデザイン案の一つとして出されたが落選。そのためデザインにおいてはリックディアスより先に作られた。目が二つあるがデュアルアイカメラではないという変わった機体でもある。
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■ 【優勝者、および生存者 紫雲 統夜】 ■ 崩れていく灰色の肉から浮上する騎士。 その手に握られた、半ば折れた剣が振り下ろされる。 死したブレンパワードにかわす術はなく。 どうなったかを語る必要はないだろう。 それが、結末。 ハッピーエンドの条件は―――『愛』が全てを乗り越えること。 【アイビス・ダグラス 死亡確認】 ■ うっすらと目を開けて真っ先に考えたのは、どうして自分はこの冷たい床の上で横になっているのかという事だった。 まだはっきりとしない意識のまま、青年――シン・アスカはゆっくりと体を起こした。 そのまま周囲を見回す。そして目に入ってきた光景に、シンはまだ夢の続きを見ているのかと思った。 見知ったミネルバの艦内、ではない。そこは見覚えの無い、広いドーム状の空間だった。 照明器具の類は何一つ無いにも関わらず、ドームの天蓋全体がうっすらと発光しているおかげで 場内はかろうじて人の顔を判別できる程度には明るい。 どうやらこの部屋には他にも大勢人がいるらしく、ざわめきが部屋全体に反響している。 頭にも徐々に血が巡ってきた。しかし、依然として状況が飲み込めない。 記憶を辿ろうにも、ここに来る直前だけが何故かはっきりしない。 「なんなんだ……ここは」 「シン……? ちょっと、ここどこ?」 何気なく発した独り言に返事が返ってきたことに驚いて、シンは振り返った。 そこにいたのはシンも良く知る少女――同僚の、ルナマリア・ホーク。 「知らないって……ルナまでなんでここ?」 「こっちが聞きたいわよ。さっきまで寝てたと思ったら、急にこんなところに……回りも似たような感じだし……」 ルナマリアの視線を思わず目で追う。 いつの間にか薄明かりに目が慣れて、さっきよりもはっきりと場の状態が把握できた。 不安げな表情で寄り添う小さな娘と青年の姿が見える。兄妹だろうか。 オレンジの髪の青年が地球人がどうのとイライラした調子で叫んでいるのが見える。 テンガロンハットのような帽子をかぶった男が、きょろきょろしながら気だるげに座っているのが見える。 たった一人だけ、シンの割と側にいる黒ずくめのスーツ姿の男だけは、まったく動じることなく屹然と立っているが、 確かにおおむね望んでこの場所にいる人間はいないようだった。 黒い男が、小さく口を動かした。なんと言っているのか、シンには分からなかったが、 少なくとも回りの人間と同じような現状の把握のための言葉ではない気がする。 シンの背中を冷や汗が流れ落ちる。 嫌な予感がする。何か、とてつもなく良くない事が起こるような。 ――その予感は、それから程無くして最悪の形で的中することとなる。 『みんな……起きてくれ』 その声が『自分の頭の中から』聞こえてきた時、シンはこの異様な状況に自分の精神が異常をきたしたのかと思った。 しかしどうやらそうではないらしく、ルナマリアも、場内の他の人間達も一様に同じ声を聞いたようだった。 ざわめきが場の空気を介して伝播する。 状況を確認しようとシンが口を開きかけた矢先、声が再び脳内に響いた。 『俺の名前は、紫雲統夜』 混乱する頭を無理に急き立て、シンは何とか今の状況を把握しようと必死になった。 今、声は確かに自分の名を名乗った。という事は、この声の主はどこからか自分達の脳内に語りかけているというのか。 まだ家族が生きていたころに読んだ空想小説に出てきた単語が思い出された――テレパシー? いや、そんな非科学的な…… しかし次の一言で、シンの思考は今度こそ完全に停止することとなる。 ■ 統夜は自分の前に集められた人間へ、複雑な視線を送っていた。 あの殺し合いの後、吸収されきる前にノイ・レジセイアが死したことで統夜は意識を取り戻した。 カミーユと違い、粉砕されず原形を保ったまま吸収されたが故に、統夜のみが助かってしまったのだ。 統夜の当てとは、ノイ・レジセイアだけでなくカミーユとアイビスも殺し、その力を奪うことだった。 しかし――残留したノイ・レジセイアの力と、アイビスとブレンに残っていた力を全て吸い上げても、 統夜には重要な部分が足りていなかった。 それは、単純な力の量でなく、人を生き返らせるには複雑な過程が必要だということ。 肉体があれば、統夜の力だけでも蘇生は可能だったかもしれない。 けれど、テニアの命は、今自分がいるネビーイームのそばに浮かぶ新しい世界の一部となっている。 金属を加工するには溶かすための熱が必要だが、それだけではダメだ。 核兵器並みの過剰な熱があっても、それを操作し、他のものと組み合わせなくては、正しく加工できない。 何の因果か、ノイ・レジセイアの知識まで吸収した際手に入れてしまった統夜は、そのための方法を理解する。 ノイ・レジセイアの知識から発見した、世界から命を抽出する方法。 それは、同じように作り出した世界と、テニアの命を内包する世界をぶつけ合わせ、世界を解体して取り出すというものだった。 統夜は、デュミナスがノイ・レジセイアの世界に突入する際に保有していたMUの力と、 ノイ・レジセイアが世界を作り出すために行ったやり方を、裏表まで知識として手に入れた。 ………ノイ・レジセイアが行った方法を完全に反復することができたのだ。 突然の出来事にかたまるしかない参加者たちに、統夜は説明していく。 おそらく、自分の言うことを理解している人間は半数もいないだろう。なぜなら、自分たちもおそらくそうだったのだから。 「……少し、よろしいか」 説明を中断する声の主に、統夜だけでなく会場全体の視線が集まった。 全身黒尽くめのスーツを身に纏った男だった。毅然とした態度で数歩前に歩み出る。 ―――統夜は、気付かなかった。会場に、一人だけ招かれざる客がいたことを。統夜は、その姿を確かに知っている。 『あんたは……なんでここに!?』 統夜は、自分がノイ・レジセイアの殺し合いに集められた時を思い出した。 なんという――デジャヴ。 「私の名はロジャー・スミス。 自身と同じ境遇の世界を生み出さないように交渉してほしいと、依頼を受けてここにいる。 私が私である限り、私は確かにここにいる」 『俺を止めようって言うのか?』 「その通りだ」 『やれるんなら、やってみろよ』 短い会話ながら、お互いの意思を伝えるには十二分。 統夜は、ロジャー・スミス含む五十二名の参加者の前で宣言する。 『……これから集まってくれたみんなには……最後の一人になるまで、殺し合いをしてもらう!!』 ノイ・レジセイアが自分の勝手な都合で世界を求めたのと同じように、統夜もまた勝手な都合で世界を求める。 いや、ノイ・レジセイアや統夜だけではない。求めるものも世界とは限らない。 人が戦いを、戦乱を、そしてそれらの縮図であるバトルロワイアルを通して何かを求める限り。 そして殺し合いを通してシャギアや統夜、アイビスのように進化していくものがいる限り。 善悪を超えて、変わっていく物がある限り。 この広い多元の宇宙のどこかでバトルロワイアルが始まり、終わっていく。 ノイ・レジセイアが案じた通り広い宇宙で、戦いは続いていく。 だが、同時にそれを阻み、話し合いという手段を持って戦いを終わらせようとする者も確かにいる。 人の可能性と、人の希望と、人の輝きを閉じ込めたバトルロワイアルは終わらない。 【ネクスト・バトルロワイアル 開幕】 【主催者 紫雲 統夜】 【再参加者 ロジャー・スミス】 【参加者 シン・アスカ含み他五十一人】
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Shape of my heart ―人が命懸けるモノ― ◆7vhi1CrLM6 目が二つあった。 パープルアイとでも言うのだろうか? 深く暗く沈んだ紫紺の両眼が、言い逃れは許さない、と詰問の視線を突きつけている。 どこか追い込まれているような、自分で自分自身を追い詰めているような、そんな目だった。 似てるなと思う。初めて戦場に狩り出された新兵が、自分のミスで仲間を死なせてしまった。そう思いつめているときの目が、ちょうどこんな感じなのだ。 「お前、ラキの何なんだ?」 「質問してるのはこっちだ」 「知ってることを全部話せって言われてもな……何処の誰とも知れない奴に話す義理はねぇ。 もっとも、俺のことなら別だがな。今夜のご予定から泊まっている部屋の番号まで何でもお答えいたしますよ」 「ふざけるなっ!!」 「悪い悪い。そう怒るなって。だが、そっちが答えなきゃこっちも答える気はないぜ」 努めて冷静に、出来るだけ刺激を与えないように(?)気をつけながら話す。両手は頭の上だ。別に銃を突きつけられているわけじゃなかったが、これが一番意思が伝わりやすい。 強引に切り抜けられるか、と問われれば、多分出来るだろう。 目の前のお嬢さんは筋肉に無駄が少なく(ついでに削ぎ落としたのか、胸の脂肪まで死亡してるのが残念でもあるが)細身なりに鍛えられているようだが、動きはどちらかと言うと素人くさい。 ただ、柄じゃない。 となると、受け答えの中で情報を引き出せれば御の字といったところか。だが、無言を衝立にして返されたんじゃ埒があかない。軽口にも乗ってこない相手に溜息まじりに言葉を投げかける。 「おいおい。黙ってちゃ何にも分からないぜ。もう一度聞く。お前とラキの関係は?」 あまり友好的な関係ではないのだろう。置かれた状況を鑑みれば、ラキが何か不祥事をやらかしたとしか思えない。 現に目の前の少女は歯を食いしばって思い悩み、苦悶の表情を浮かべていた。強気の表情の裏で弱気が揺れ、顔は俯いている。その口元が微かに動いた。 「ある人の最後を伝えなくちゃいけない……。伝えなきゃいけないんだ……私は……ラキに……」 自身の見当違いに気づくのと同時に、そろそろと視線を伏せた少女の顔に落とす。前髪越しに見える真一文字にきつく閉じた唇が、小刻みに震えていた。 泣いているのか? そう思った瞬間、少女の顔ががばっと持ち上がり、涙が滲んだ視線が突き刺さる。 「さぁ、私は言ったぞ! 今度はお前が答える番だ!! 教えろ、ラキについて知っていることを!!!」 ラキを探している理由は分かった。危惧していたようなことではなさそうで、人知れず胸を撫で下ろす。目の前の少女は、どう見ても他人を謀ることに長けているようには見えないのも安堵感を大きくしていた。 しかし、まだ分からないことがある。ラキが原因でないのならば棘の出所が分からない。 それにこの娘の気の張り詰め方は危うい。的の位置が分からぬまま弓を目一杯引き絞っている。そんな矛先の定まらぬ危うさだ。 それらに引っ掛かりを覚えながらもクルツは、ラキのことについて話すことに決めた。 「分かった。何から聞きたい?」 背格好からという要望が返ってき、クルツはそれに答えて話し始めながら、それとなく様子を覗い続けた。 目の奥が暗い。肌にチリチリと焼け付くような感情がそこで燻っている。目の前の少女は笑う気配すら見せない。 やはり棘がある。ラキでないなら向けられているのは自分か? 「あんたとラキの関係は?」 「仲間ということになるかな。放送前まで同行していた」 何でもない言葉。それが彼女の心の弓弦に触れた。刹那、紫紺の瞳が揺れ動き、動揺。そして、驚愕へと少女の表情が変わり、焦点のぼやけた少女はぽつりと呟く。 「……嘘だ」 「嘘じゃねぇ」 手が震えた少女の眉間に皺が寄り、険しい表情を形作る。その目に灯った感情を読み取り肝を冷やした。 気圧されて一歩退がり、ラーズアングリフの装甲が背中にぶつかる。思わず振り返り、慌てて視線を戻したクルツに飛んで来たのは、怒声だった。 「嘘を吐くな! あんたがラキの仲間な訳がない!! そんなわけないじゃないかっ!!!」 取り乱し、感情的に声を荒げて詰め寄る様子に息を呑む。感情の堰が切れ掛かっている。怒りの、殺気の矛先は間違いなく自分に向けられていた。 訳が分からない。初対面のはずだ。こうまで嘘つき呼ばわりされる心当たりは全くない。そんな疑問符で頭が埋め尽くされる。 「嘘じゃねぇって。間違いなくあいつとエイジと俺の三人で行動してた。これは保証する」 「だったらなんでアムロを殺した!! あんたがラキの仲間ならアムロを殺すもんかっ!! 殺すもんかっっ!!!」 身の潔白を証明するしか他なく喚いたクルツの言葉に、アイビスの叫びが重なった。 怒りに目を滾らせながら目肩で息をする少女を見つめて、再び疑問符が頭に浮かぶ。今度の疑問符は一個だけ。ただしでかい。即ち、アムロって誰よ? そうして頭の中で一通り検索にかけて、なお心当たりのないクルツの口を吐いて出た言葉は―― 「ぬ、濡れ衣だァーーーーーーーーー!!!!」 「惚けるな!!!」 思わず手が出たという感じで頬を叩かれた。クリーンヒット。直撃。反動で後頭部を固い装甲板でしたたかに打ちつける。正直、そっちのほうが痛かった。 「惚けてねぇ! 俺はそんな奴知りやしねぇ。まして恨みを買われる筋合いもねぇ」 「見たんだ!!! あんたがアムロを……赤い小型機を落とすところを!!! そんなあんたがラキの仲間だなんて認めるものかっ!!! 認めてやるものかっ!!!!」 必死の目と一緒に、これまで押さえ込んでも押さえ切れずに、瞳の奥で燻っていたものが露になる。その感情の堰が切れる様を目の当たりにしながら、クルツは事情を理解した。 事情は単純。赤い小型機、おそらくは戦闘に介入してきたタイミングから考えて戦闘機にも変形するほうのことだろう。それが彼女の仲間で、自分はその仇というわけだ。 だが一つこの少女は思い違いをしている。そこを正せば少しは立場が楽に……なるのか? 「ちょっと待て! 殺してねぇ!!」 「……えっ!?」 「殺しちゃいねぇって! そいつは生きてる」 「嘘だっ!!」 何度目かも分からない否定。全く信用されてない立場というのは辛い。 「まぁまずは落ち着けって。確かに小型機は落とした。けど、あの時そいつは既に青い機体に乗り換えていた。 見たろ? 俺がその青い機体に追い詰められるところを。あんたが介入してなかったら死んでたのは俺のほうだった。だから嘘じゃねぇ」 「生……きてる?」 「そう。そいつは生きてる」 「本当?」 「本当だ。もう五六時間もすれば放送が流れる。嘘を吐いても意味がねぇよ」 胸を撫で下ろし大きな安堵の溜息を漏らすのが見えた。少しはこれで険が取れるかな、と思って油断した隙に再び詰問の視線が向けられ、思わず表情が強張って気持ち身構える。 ぐぅ~ 薄く開いた唇が言葉を発するより早く少女の腹の虫が鳴いた。険が取れるどころか緊張が霧散し、空気が弛緩する。 思わず笑ったクルツの大声が夜空に響く。開けた口を訳もなくパクパクさせている目の前の少女の顔は真っ赤だ。 「わ、笑うな」 「ハハハ……腹減ったとよ。どっかで飯にするか?」 「減って ま せ ん 」 躍起になって否定する少女を尻目に中央廃墟で一息吐くことを勝手に決める。北の市街地には行きたくなかったのだ。 全くの偶然の腹の虫ではあったが、お陰で今話の主導権はクルツに移行している。気持ちにも余裕が出来た。 機体に乗り込もうと背を向け、背後の気配の動き出す様子のなさに振り返る。 そこに強い光を見止めた。真摯さ。熱心さ。そんな光だ。そしてその奥にはまた別の暗い光が併在している。 「一つ聞かせて。何でアムロと争ってた?」 思わず頭をガシガシと掻いてあらぬ方向を見上げてしまった。一番答えにくい質問だったのだ。何しろ最初に手を出したのはこちらなのだから。 ちらりと視線を戻す。そこに最初と同じ『言い逃れは許さない』という詰問の視線を確認して、慌ててまた逸らした。どうにも答えずにすむという訳にはいかないようだ。 「あいつとやり合ったのは二回目だ。一回目は俺から仕掛けた。それを覚えてたんだろうな。二度目は奴から仕掛けてきた。後は通信を交わすこともなく戦闘さ」 「一度目はなんで?」 「さぁ、何でだろうな。いきなり殺し合いを強要されて、情けねぇことにパニクってたのかもな」 「そう……」 目線を合わせる勇気はなかった。僅かに混ぜ込んだ自分を守るための嘘。それに言いようもない引け目を感じたのかもしれない。 逃げるようにして機体に乗り込むとホッと胸を撫で下ろす。下手な嘘がバレやしないか冷や汗ものだったが、どうやら信じては貰えたようだった。もっとも疑いが完全に晴れた風には見えないが。 通信を繋げる。 「んじゃ、行くとしますか。行き先は中央廃墟。そこで朝まで一休みだ」 とそこまで言って肝心なことを聞いてないことを思い出す。 「お嬢さん、そろそろお名前を教えてもらっても良いんじゃないでしょうかね?」 「へっ?」 目を丸くするのが見え、ちょっと間の抜けた声が響く。どうやら向うも名乗ったつもりになっていたようだった。 「アイビス……アイビス=ダグラス。あんたは?」 「クルツ=ウェーバー……俺名乗んなかったっけ?」 「名乗ってないよ」 呆気羅漢と返ってきた声に「おっかしいな」と応じながら頭を掻き、「まぁいいさ」と繋いだクルツは、とりあえずラキとアイビスを会わせてみようという気になっていた。 そうして二機は中央廃墟へと向かう第一歩を踏み出す。そこに待ち受けている結果も知らずに……。 ◆ アイビス・クルツから遅れること約四時間。C-3地区にも中央廃墟を目指す機体の姿があった。 その低空を僚機となったシャイニングガンダムと共に飛びながら、ブンドルの思考は一つのことに囚われていた。 サイフラッシュ・ハイファミリア・アカシックバスター・コスモノヴァ、そして精霊憑依。 ブンドルが扱いきれないサイバスターの武装や機能は多い。 ゆえにブンドルはこれまで機体の基本性能と剣戟、そして僅かな火力での戦いを強いられてきた。それらはひとえに操者の資格を持たぬがゆえのことであったが、一つ事情の異なるものが存在する。 ラプラスコンピューター――それは一種のブラックボックスと言っても過言ではないサイバスターの中枢を司るメインコンピューター。 これだけは操者の資格を持たないが為か、それともただ単純にそっち方面の専門家でないことによる技術力不足によるものか、判別に難しい。だが、どういうものかの憶測はついていた。 ラプラスの名を耳にしたとき、ブンドルが真っ先に思い浮かべたのは18世紀から19世紀にかけて活躍したフランスの数学者ピエール=シモン・ラプラス。ラプラス変換の発見者として、彼の名は高い。 その彼によって提唱されたものの中に『ラプラスの悪魔』というものが存在し、彼は自著の中でこう語っている。 『もしもある瞬間における全ての物質の力学的状態と力を知ることができ、かつもしもそれらのデータを解析できるだけの能力の知性が存在するとすれば、 この知性にとっては、不確実なことは何もなくなり、その目には未来も全て見えているであろう。 (確率の解析的理論)』 この仮想された超越的存在の概念であり、ラプラスがただ単に知性と呼んでいたものに、後世の者が付け広まった名称が『ラプラスの悪魔』である。 それは量子論登場以前の古典物理学における因果律の終着地点と言ってもいい。 そのラプラスの名を冠する以上、おそらくこのコンピューターが目指したものは未来予測。 「ラプラス自身の理論は後に量子力学によって破られることになったが、果たしてこのコンピューターは『全てを知り、未来をも予見できる知性』足り得るのか……」 目指しはしても、そこに至れるかどうかは別問題。『ラプラスの悪魔』にまで至れているという保証はどこにもない。 だが、最低でも物質と現象を解析し予測する為の機能が備わっているはずである。例え完全ではなくとも、それらの機能がなくてはラプラスの名に対して失礼と言うべきであろう。 そして、その処理速度も並々ならぬもののはずだ。1秒後の未来を算出するのに1秒以上の時を要しては意味がない。 ならばだ。然るべき者の手に渡りさえすれば、首輪の解析など容易くやってのける代物なのではないか――それがブンドルの抱いたものであった。 「ブンドル」 突然の通信に思考の波から意識を拾い上げる。無骨な男の顔がモニターに映し出されていた。 「ギンガナム隊のことについてだがな」 「……なんだ? そのギンガナム隊とかいうのは」 薄々感づきながらも言葉を返す。妙に嫌な予感がしていた。そして、こういう勘は当たるものだ。 「ギンガナムとはムーンレイスの武を司る一族の名。そして、我が部隊の名だ。 ロンドベル隊の名も惜しかったのだがなぁ。アムロ=レイが存在する以上、あちらにその名を譲るのに小生も吝かではない。 貴様もギンガナム隊の一員となったのだ。覚えておけ」 「少し待て。それは君の名ではなかったか? というかいつ私が君の下に付いた?」 こめかみを押さえ、俯きがちに頭を左右に振る。色々と頭が痛い。だがそんな様子に構うことなくギンガナムは返答を寄越してくる。 「いかにも。我が名はギム=ギンガナム。ギンガナム家の現党首よ。 どこの馬の骨とも知れぬ者をギンガナム隊に加えるのには小生も少々の抵抗があったのだが……ブンドル、貴様はなかなか見込みがあるので特別に許可した。誇りに思うが良い」 「話が食い違っている……それにその美しさの欠片も見当たらないネーミングには反対させていただこう」 「異論があるのならば代案を出すべきであろう。 だが、あの化け物を討つのに、ギンガナムの名以上に相応しい名はない。そう、ロンドベル隊とギンガナム隊の共同戦線によってあの化け物は討ち倒される。 フフフ……ハーハッハッハッ……素晴らしい! これぞまさしく小生が夢にまで見た黒歴史との競演!! だがそれにはぁ、我が隊の戦力を充実させねばなぁっ!!!」 勝手にテンションを鰻上りに上昇させるギンガナムを脇目に、ブンドルは僅かに考え込んだ。代案を出せというギンガナムの言には一理ある。 そして、頭に思い浮かんだ部隊名は―― 「……ドクーガ情報局」 「フンッ! 大 却 下 だ!!」 「ならば……」 そこで言葉を飲み込む。言おうか言わまいか、束の間悩んだ。目の前の男に自分の美的センスが理解できるとは到底思えない。 芸術の何たるかを全く理解しない無知蒙昧な輩に、自分の美的センスが扱き下ろされるのはどうにも我慢がならない。 「ならば何だ?」 「……なんでもない」 「どうせ大したことのない部隊名を思いつき慌てて引っ込めたのであろう。やはりここは武を納めるギンガナムの名こそ相応しい!!」 「それには反対だと言った」 「ギンガナム隊に反対ならばシャッフル同盟で決まりだな。異論があればもっとマシな対案を出してみよ。 どうした? 何か言いたそうだな? その貧弱なお頭でぇ何を思いついたか言うがいい。ほれ! ほォ~れ! ハーッハッハッ……!!」 あからさまな挑発。見え透いた手。だが、悔しいが効果的だ。小馬鹿にされているようで地味に腹が立ってくる。というかうざい。 「そうまで言うのなら聞かせてやろう。この部隊の名は―― ――『美しきブンドルと愉快な仲間達』だ」 満足気に言い放ったブンドルを残して時が凍りついた。 「……」 「なんだ、その痛いものを見るような目は? そんな悲しそうな憐れみの目で私を見るな」 「その今にも『全ては我らのビッグ・ファイアの為に!』とか言いだしそうなネーミングは……それに後半……」 「それはだな」 「いや別に説明しなくともよい。すまん。小生が悪かった。だから悪いことは言わぬ。ここは大人しくギンガナム隊にしておけ」 「それには反対だと言っている!」 「ええい。人が下手に出ておればいい気になりおって。何が不満なのだ?」 議論は白熱(?)していき、多くの名が挙がっては切って落とされていくこととなった。 そして、目的地D-3廃墟の上空に差し掛かる頃、両者は半ば折れる形で部隊名はなんの捻りもなく『ドクーガ情報局ギンガナム隊』に決定される。 「まぁいい。とにかくブンドル、貴様にはギンガナム隊の参謀を務めてもらう」 「お断りさせてもらおう。私はドクーガ情報局の『局長』だ。降格は勘弁願いたい。それではよろしく頼むよ、『隊長』殿」 「くっ……貴様、またしても謀ったな」 「部隊名はそちらも納得して決めたはずだ。それとも君は一度口にした言葉をひっくり返す程度の男かね」 「ぐっ! おのれ……」 悔しげに睨み付けてくる眼光を飄々と受け流す。戦闘行為ならともかくとして、口と謀でこの男に負ける要素は皆無といって良い。 未だブツブツと文句を呟くギンガナムを尻目に、視線を眼下の廃墟へと落とした。 現在、ブンドルの頭の中には幾つかの集団が刻まれている。 北西の市街地にはアムロとガロード。南部市街地にはトカゲ型の戦艦とガロードの仲間。そして、ゼクスを中心とした集団は中央廃墟の方角を目指していた。 もっともトカゲ型の戦艦とゼクスの集団はそれなりの時間が経過している為、移動している可能性が高い。そう考えるとこの中央廃墟と北の廃墟は大きな空白地帯と化す。 つまり参加者の保護・小集団の形成という観点から考えて、ここは見過ごせない地域なのだ。 そして、出来ればもう一度サイバスターの操者と接触を取りたいという欲が、ブンドルに中央廃墟を選ばせていた。 だが見下ろした廃墟に人影は見当たらない。深夜という時間帯と廃墟という死角の多さが目視を遮っているのだ。加えてレーダーの不調もある。 「ギンガナム、そちらのレーダーに反応は?」 文句を止めて取り合えずはレーダーを確認したらしいギンガナムが、「なにも」と返してくるのを聞いて、これは骨が折れるかもしれない、といった思いが頭を過ぎり―― 「ところでな、ブンドル」 思考を中断させられた。 「……まだ何かあるのか?」 「うむ。毎回戦闘前に名乗りを上げていたのだが、どうもパターンが尽きてな。そこで二人で是非とも試して」 「断る!!」 「つれないな」 当然だ。嫌な予感しかしない。 「だが、これを聞けば貴様の気もきっと変わるであろう」 「言わなくていい。言わなくていいから、少しあっちに行っててくれないか?」 「まずは小生が問いかける。それに貴様は答えていけばよいのだ」 思いっきりスルーされた。あまりのマイペースさに殺意を覚えないでもない。少しくらい聞けよ、人の話……いかん。キャラが崩れてきている。自戒せねば。 「『流派東方不敗は』と問われれば貴様は『王者の風よ』と返すのだ。あらん限りの声を振り絞り叫ぶのだぞ。分かるな? 気迫がここではモノを言う。そして、続きは――」 得意気に説明を続けるギンガナムを完全に無視して、思案を再開することに決めた。とてもじゃないが付き合いきれない。 改めて廃墟へと目を向ける。ざっと見渡した限り目視にかかるほど大きな機体は見当たらない。また死角が非常に多い。空を飛ぶ来訪者は見つけやすく、自身は隠れやすい地形ということだ。 好戦的な者を除いたほとんど全ての者は、一度隠れてこちらの様子を覗うと思ったほうがいい。かと言って、地上を歩き路地の一つ一つを覗いて回っても埒があかない。 つまりは目立つ空に機体を曝け出して、いるかどうかも分からない相手のコンタクトを待つしか方法がないのである。 ならば時間で区切るべきだ。交代制で半分を休息に当てるとして、一時間か? それとも放送までか? そうやって先のことに思考の手を伸ばしていたとき、視界の隅で何かが煌めいた。モニターに警告のメッセージが灯るのよりも素早く身を翻す。 虹色をまとめて撃ち出したかのような光軸が間際を駆け抜け、装甲を焦がした。それを脇目に射撃地点を睨んだブンドルは、しかし突然後方で鳴った衝撃音に思わず振り返ることとなる。 火花を散らしながら銃と剣の中間のような武器を叩きつける流線型の機体と、それをアームプロテクターで受け止めるギンガナムの姿が目に飛び込む。 やばい――そう思った瞬間、女の憎悪に塗れた声とギンガナムの剛毅な声が木霊した。 「ギンガナム! お前を!! お前だけはああぁぁぁぁあああああ!!!」 「小生をギム=ギンガナムと心得て向かってくるその心意気や良し! だがしかあぁぁしっ!!」 ギンガナムが相手の武器を跳ね上げ、腕を掴み、豪快に投げ飛ばした。空中をくるくると舞った敵機は、数百m離れたところでようやく体勢を整える。その鼻頭にギンガナムの声が飛ぶ。 「貴様では足りん! 小生を、このギム=ギンガナムを倒したくば、このシャイニングガンダムの右腕を見事斬りおとしてみせたあの男を出すがいい!! 勝利の二文字を持って屈服させええぇぇぇ!! 我がギンガナム隊の一員としてくれるっ!!!」 「黙れっ! お前が、あいつを殺したお前が気軽にあいつのことを口にするなっ!!」 突然、流線型の機体がぶれたかと思うとその場から消失する。次の瞬間、それはギンガナムの死角に姿を現した。 銃剣の切っ先が下から上へと振り上げられる。それらの動きに瞬時に反応して見せたギンガナムはワンステップでかわすと同時に振り向き、掌を胸部に添える。 「遅い。温い。伸びも芸もない。その程度でぇこのギム=ギンガナムの首が取れるものかよぉ!!」 中空にも関わらず踏み込む。流線型の機体が体をくの字に折り曲げて、すっ飛んだ。刹那、ブースターが青白い燐光を瞬かせ、ギンガナムが追撃に移る。 それらの光景を前にブンドルは再度思う。これはやばい、と。この闘争本能の塊のような男は、既に燃え盛る炎と化している。襲い掛かる者に対して容赦はないだろう。 そして、漏れ聞く限り突如襲撃してきた女は復讐者。この組み合わせはまさに火に油を注ぐようなもの。勢いのままに暴走を許せば、後の結果は火を見るより明らかだ。 そこまで分かっていながらブンドルは動けなかった。 理由は二つ。 一つはテレポーテーションとでも言うべき移動に度肝を抜かれ、介入のチャンスを見出せなかったこと。 そして、まだ何かがある気がする。あるいはいるのかもしれない。ともかくギンガナムと女と自身の他にまだ何かがここに介在している。 理屈というよりかは勘のようなものだ。未だ表に出てこない潜んでいる何かがあると告げていた。 さらにもう一つ加えるのならば、サイバスターのラプラスコンピューターに対しての憶測もブンドルを慎重にさせることに一役買っていたのかもしれない。 ここで悪戯に失うわけにはいかない。そういった思いがあったことは確かなのだから。 雲越しに火線が煌めき、幾度目かの火花が散る。 ギンガナムもあの男一流の嗅覚で違和感を感じ取っているのか、女とギンガナムの戦いはどこかぎこちなかった。が、そのぎこちなさは程なく融解することとなる。 ギンガナムの狂喜に彩られた声が大地に響き渡ったのだ。 「見つけたぞ!! アイビス=ブレエエェェェェェェェンッッッ!!!」 何処か女性的な丸みを帯びた流線型の敵機。それを弾き上げたシャイニングガンダムのスラスターが噴射音を唸らせたと思った瞬間、敵機を無視し、地表の一点目掛けて突撃を開始した。 夜空に流星のような一筋の光が灯る。 その流れ落ちる先に赤い無骨な機体を発見したブンドルは、サイバスターのブースターを焚き、フルスロットルでそこに突撃した。 上空にギンガナム。地表面付近に自身。どちらが早いとも考える余裕はなく、二機は急速に赤い機体との距離を詰める。 朽ち果てたビル、鉄骨を露にした廃墟、腐食し赤く錆び付いた鉄筋、それらの景色が後ろへと飛んで行く。その先で、赤い機体がギンガナムに銃を向けるのが見えた。 横合いから懐に飛び込む。銃を潰れた左腕で制し、間髪入れずにギンガナムの拳を右手の剣で受け流す。そして、返す刀でギンガナムの脳天に降って来た女の剣閃を受け止めた。 「チッ!!」 「ブンドル、貴様ッ!!」 「なっ!!」 「三人とも剣を引け。この場は私が預か……ッ!!」 全てを流れるような動作で隙なくこなしてみせたブンドルであったが、そこが一呼吸における挙動の限界でもあった。 黒い弾丸のようなものが飛び出してくるのを視認する間もなく、轟音がコックピットを揺らす。 動から静に転じる瞬間を狙い済ましたように突かれたサイバスターは、なすすべもなく押し流され、瞬く間に瓦礫の街並みへとなだれ込んで消えていった。 ◆ 二つの機体が縺れ合っている。白銀の機体が大人と子供以上も体格差のある黒い機体に押し負け、瓦礫を巻き込みこんで後退を続けていた。 「聞こえるか? 黒い機体のパイロット、私は君との争いを望まない。剣を納めてくれ。そうすれば私はギンガナムを諌め、あの場を丸く治めてみせる」 「ククク……ハーッハッハッ……!!」 通信。流れてくるのは休戦の提案。黒い機体のパイロットガウルンは、堪えきれずに思わず噴出した。 その様子にモニターの端に開いた通信ウィンドウの中の顔が、眉を顰める。 「何か可笑しいか?」 「冗談言っちゃいけねぇな。せっかく面白くなりそうなところだ。それを潰されちゃたまんねぇ」 一番動きが良かった奴を狙いすまし、隙を衝いて仕掛けたが、正解だったってわけだ。赤い奴はどうだか知らねぇが、白い機体も丸っこい機体も剣を引く気は毛頭なさそうに見えた。 ということはだ。ここでこいつを喰っていけば争いが治まることはないと言える。その後は、選り取り見取りだ。 それに面白味はねぇがこいつ自身も一級品。暇つぶしの玩具としては、何の不足もない。 「悪いがここで死んでもらうぜ」 「なるほど……そういう輩か。ならば君などに付き合っている暇はないッ!!」 白銀の機体が刀剣を抜き放つ。密着した状態で掲げた剣を振り下ろす。上から下。頭部と背面を狙った刺殺。鋭いッ!! 咄嗟にヒートアックスで受け止めた。その隙を衝いて押さえ込んだ状態から抜け出される。一塊だった二機がパッと左右に分かれた。 「やるじゃないか。大したものだ」 「そちらこそ……な。野放しにしておくには少々危険だ」 数百mの距離を置いて二機は対峙する。互いにまだ瀬踏みの段階。つまりは小手調べの前哨戦。それでもある程度の力量は伝わってくる。 その力量だけで言えば、信じられない程の上物だ。自分自身に対する絶対の自信も持っている。そんな奴の鼻を明かしてやるってのは、たまらねぇな。そうガウルンは一人ごちた。 ◆ 「クックックッ……ハハハ……フハハハハハ……!!!!」 「何が可笑しいッ!!」 愉快さを隠し切れないといった無邪気な笑い声に反発を覚え、思わず叫んでいた。 「何が可笑しいだと? ククク……、黒歴史において最強の武道家と誉れ高い東方不敗がマスターアジア。その愛機マスターガンダムが姿を現したのだ。 そして、小生は今その弟子の機体に乗っておるのだぞ! 何たる僥倖! 宿命!! 数奇!!! これが笑わずにいられるものかっ! もはや貴様の偽善になど付き合っていられぬ。今すぐにでも奴を追いかけぇッ!! ガンダムファイトの挑戦状、叩き付けてくれるわッッ!!!」 言うが早いか、シャイニングガンダムのブースターに明かりが灯る。銃声一つ。その鼻先を七色の燐光を発するチャクラの波が駆け抜けた。 「行かせない。ギンガナム、あんたの相手は私だ」 「ほぉ。貴様ごときが小生と渡り合えると本当に思っているのか? それにそこの赤い機体。奴ではないな。接近戦における動きの冴えがまるで違う。 もう一度言う。そんな貴様らごときに勝ち目がぁあると本当に思っているのかあぁぁあああ?」 白銀の中型機が介入してくるまで、ギンガナムに押されっぱなしだった。それも片手間でだ。 勝てるという道理はない。五分に渡り合える理屈もない。でもそんなことは―― 「やってみないとわからないだろ。あいつを追うんなら私を倒してからにしろッ!」 「舐められたものだな。まぁいい。せっかくのガンダムファイト。横槍を入れられても面白くない。 ならば、貴様らを殺した後、ゆっくりと専念させてもらおうではないかッッ!!」 言葉と同時にギンガナムの姿が掻き消える――否、そう思えるほどの速度で横っ飛びに跳ねた。 咄嗟に追随。同時に『轟』と重い金属音が響き、ラーズアングリフがよろけ―― 「固いな」 「なろっ!!」 シザースナイフを振るったときには既に背後に抜けていた。結果、ラーズアングリフに視界を遮られギンガナムの姿を見失う。 赤い胸部装甲板が拳大に窪んでいるのを確認しつつ、その脇をすり抜けようとした瞬間、体を悪寒が覆った。 咄嗟にバイタルジャンプ。ほぼ同時にラーズアングリフの脇で肘鉄が空を切った。そこに二制射撃ち込んだときには、クルツ一人残して影も形もない。 ――廃墟に紛れ込まれた。 足元に着弾した銃撃に文句を散らすクルツを無視して、視界を八方に目まぐるしく動かす。 ――見つけた。右後方。 振り向き様にソードエクステンション。が、それよりもギンガナムが懐に潜り込む方が遥かに素早い。 斬撃は肘の位置を掌で捌かれ、そのまま背中を合わせるように動いたギンガナムの右足が大きく踏み込む。 重い音が大地を揺らし、肩で弾き飛ばされたブレンがすっ飛んだ。瓦礫を巻き上げ、ビルの残骸に埋没する。 追撃を予想して跳ね起きた視界に、距離を置き銃口をちらつかせて牽制を仕掛けているクルツの姿が目に入った。同時に通信。 「無事か?」 「何とか……そのまま奴の気を引ける?」 「無理だ。弾が殆んどきれかけてる。弾幕も敷けねぇ」 「五分でいい。お願いっ!」 「だから無理だって。牽制に回す弾すらないんだぞ!」 「クルツ!!」 思わず出た大声にギンガナムに注がれていた視線がこちらを向いた。その視線はホンの一瞬だけ交錯し、直ぐにまた元に戻る。 「やれるのか?」 「やれる! いや、やってみせる!」 「……分かったよ。五分だな?」 「ごめん」 「任せろ」 クルツの声を耳にバイタルジャンプ。戦場からいくらか離れた空に転移した。そこから戦場を見守り、具にギンガナムの動きを観察する。 シャアに褒められたことが一つだけあった。相手の軌道を読み切り、旋回半径に飛び込むGRaM系とRaM系に共通する基本動作だ。 それしか自分にはない。だから持てる力を全てつぎ込む。ギンガナムの動きを読みきり、全力を一撃に、急加速度突撃に全てを賭ける。 時間は? 三分。 焦るな。 落ち着け。 二分。 小型ミサイル。 回避。 避け。 一分。 ビルをブラインドに。 回り込む。 そう見せかけて跳躍。 音もなく上空へ。 ここだっ!! 青白い噴射光と七色の燐光が夜空に浮かび上がる。ギンガナムのシャイニングガンダムとアイビスのヒメ・ブレンが同時に突撃を開始したのだ。 フルスロットル。 眼前の廃墟をブラインドに。 一度、互いの死角へ。 廃墟を抜ける。 そして――見つけた。 微調整。 ソードエクステンションを前に。 あとは―― ――ただ突っ込むだけだッ!! 「行っけええぇぇぇぇぇえええええ!!!」 叫んだとき、距離はもう幾許もなかった。直前でギンガナムが反応するのが見えた。構わず突っ込む。リーチはこちらのほうが長いのだ。 突きつけたソードエクステンションの切っ先。それが胸部装甲に突き立つのが鮮やかに見えた。 「アイビスッッ!!」 次の瞬間、眼前に迫った大地に気づく。 気を失った? 何故? いつの間に? そんなことよりもブレンを――。 この速度で大地に叩き付けられると危ない。そう思い、減速しようとして、身動きが取れないことに気づく。 どうして? 何で? 何で、動いてくれないんだっ! 「つまらんな。ただ突っ込むだけの戦い方など赤子でも出来る」 耳元で誰かが囁いた。瞬間、ぞっと肌が粟立つ。 積み上げてきたものを崩され、心に隙間が生じる。そして、その隙間に過去の恐怖が入り込み、鮮明に蘇る。大地迫るこの状況が過去の墜落経験と頭の中で噛み合った。 堕ちる……嫌だ。嫌だ。嫌だ! 嫌だッ!! 「うわああぁぁぁああああああ!!!!!!」 ◆ 北西から南東に向けて一直線に粉塵が立ち上った。それは間に乱立し散在する廃墟の山を一切問題にしていない。 粉塵の中に双眸が輝くのが確認できた。次はお前の番だとそれが何よりも雄弁に物語っている。思わず唾を飲み込み、薄ら笑いを浮かべた。 強い。半端な敵ではない。それが素直な感想だった。 あの瞬間、アイビスの仕掛けた攻撃は受け流され、その場で半回転したギンガナムは背に一撃を加えた。その上で間接をロックし、加速して地面への衝突直前に叩きつけるという荒業をやってのけていた。 結果、敵機は装甲表面に引掻き傷程度の怪我を残して健在。アイビスは恐らく沈黙だろう。 アイビスの加えた攻撃は、タイミング・速度共に申し分ない一撃だったはずだ。少なくともクルツにはそう見えた。それを物ともしない強さがある。接近戦ではまず話にならないと言っていい。 射撃戦を展開するにしても弾薬は尽きかけている。一戦はとても持たない。だがそれでもやりようはある。それにはまず距離を取ることだ。 そう思い浮かべた瞬間、巨大な圧力がクルツを包み込んだ。距離を詰められた。読まれている。既に後退は間に合わない。 前。咄嗟に思い浮かべたのはそれだった。活路はそこにしかない。雄叫びをあげ、馳せ違う。右脚部で鈍い音が鳴った。構うことなくフルスロットルで前進を続け距離を取る。 だが速度が上がらない。ラーズアングリフは空を飛べない。だから、脚部の損傷は致命的だ。追ってくる。振り切れない。駆けながら、全身の毛が怖気立つような恐怖に襲われた。 南下させられているのだ。いずれ禁止エリアに突き当たる。方向を変えようとしても、出来なかった。 刺し違える。咄嗟にそう決めていた。このままでは振り切れない。追いつかれるなり、禁止エリアに追いやられるなりして、殺される。ならば強引に反転し立ち向かう。 刺し違える覚悟で相打つ。それしか手がなかった。そして、それが一番生存率が高い。一つの廃墟が眼前に迫った。決死の覚悟で機首を巡らせる。 装甲の厚いラーズアングリフだ。一撃で落とされることはない。まずは相打つ。その上で何か見えてくるものがあるはずだ。何も見えなければ死ぬ。それだけだ。そう思った。 しかし、反転してクルツは唖然とした。距離がない。構える時間すらない。眼前には既にギンガナムが迫っていた。想像以上に動きが早かったのだ。 重い音。衝撃。重厚なラーズアングリフが背にした廃墟に埋没する。肩から腕にかけて熱いものが走った。やけに鮮明な視界の中、ゆっくりと拳が近づいてくる。 甘かった。敵の狙いはラーズアングリフのキャノピー。重厚な装甲など関係ない。足を止めたその後は、あからさまに弱点なそこを狙うのは当然といえた。 死とはいつもすれすれの所で生きてきた。戦と死は古い友人のような気もする。それがついにやってきた。お前が俺の死か。そう思い、ギンガナムの機体を睨みつけた。 その機体が不意にぶれ、横っ飛びに跳んだ。 「なっ!」 咄嗟のことに頭がついて行かない。その眼前を七色の光が突き抜ける。そして、通信が一つ。 「クルツ、無事か?」 ほんの半日前まで耳にしていた声がやけに懐かしく感じる。思わず笑みがこぼれた。 「へっ! 何処に行ってやがった。しかもこのタイミングでご帰還たぁ、美味しすぎじゃねぇのかぁ? おいっ!」 ◇ 右腕が通信を繋げようと動き、モニターに一人の男の顔が映し出される。 肩までかかる青い長髪がワカメのようだと一瞬思い、一度会った男だということが記憶の引き出しから出てくる。 その男とモニター越しに目が合い。男の顔がにぃっと笑うのが見えた。瞬間、全身の血が身の内を駆け巡る感覚に襲われる。視線を交わしただけの通信が途切れる。 ラキはそれ以上を必要としなかった。目が合った瞬間に理解し、訳もなく確信したのだ。 待ちきれずに逸った気持ちからか、宙に浮いている錯覚を覚える。 今、私はどんな顔をしているだろうか? きっと笑っている。 何をしている? 早く来い。 お前も気づいたのだろう? 私がお前の敵であると。 理由も理屈もなくただそう思い、確信している。 告げているのは負の感情を集めるために作られたメリオルエッセとしての性か。それともベースとなった人間の持つ原初の本能か。 白い隻腕の機体が各部を展開させ、一歩を踏み出す。まるで鏡映しのようにネリー・ブレンも一歩を踏み出す。そのまま二歩三歩と間合いが縮まり、走り、駆け、疾走する。 不意に全身が熱くなり、熱いものが込み上げて来るのを感じた。その熱いものが胸にぶち当たった瞬間、二つの機体は地を蹴り、激突した。 →Shape of my heart ―人が命懸けるモノ―(ver.IF)(2)
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騎士GEAR鳳牙 機体名 騎士GEAR鳳牙(ないとぎあおうが) 全長 28.5m 主武装※両腕、両足に付いたタービンを回転させ技を放つ。技は右記の通り 剛腕粉砕撃 両腕のタービンを回転させ手刀を繰り出す技。MXではなぜかはぶられた不遇の技。 波動龍神撃 両腕のタービンを回転させ竜巻を作る技。アニメ本編では水中でしか使われてない。 旋風回転拳 両腕のタービンを回転させパンチを繰り出す技。パンチの種類は多彩だが、どんなパンチでも技名はすべてこれ。 飛翔烈風波 両足のタービンを回転させ竜巻を作る技。波動龍神撃の足版。こちらは空中、地上で使われた。 旋風回転脚 両足のタービンを回転させキックを繰り出す技。キックの種類は多彩だが、どんなキックでも技名はすべてこれ。 旋風烈脚刃 両足のタービンを回転させ逆立ちし、両足で旋風回転脚を放つ。両腕のタービンを回転させ独楽のように回転しながら攻撃も出来る。 爆砕重落下 両足のタービンを回転させ上空からニードロップをぶち込む技。MXでは旋風回転脚とのコンボで使われた。 疾風三連撃 全てのタービンを回転させ、旋風回転脚(下段回し蹴り)→旋風回転拳(裏拳)→旋風回転脚(上段回し蹴り)のコンボ。Rでは旋風三連撃と誤植された。 閃光雷刃撃 全てのタービンを回転させ雷を発生させ、機体を回転させ雷撃で攻撃する全方位技。 特殊装備 ハイパープラズマドライブ 両腕、両足に搭載されたタービンを回転させてエネルギーを送り込むシステム。ハイパーデンドーデンチでのみエネルギー充電が出来る。 データウェポンインストール ギアコマンダーに入れられたデータウェポンを送り込み、武器として使用する。 疾風激走脚 両足のタービンを回転させ、そのタービンで高速移動するシステム。エネルギーを使うため、普段は歩いたほうが得策かも。 移動可能な地形 空中○、陸地○、水中○、地中× 備考 アルクトスにあるもう一つのGEAR。騎士凰牙(ナイトオウガ)とも呼ばれる。電動との違いはコックピットが単座で色が黒と赤で塗られてる程度で、性能も含めてほぼ違いが無い。当初はアルテアが所持していたが、のちに北斗が乗り込み、再びアルテアの元へと戻ったと非常にたらい回しにされている。フェニックスエールを使用した場合は外見上に変化はなく、「雲噛・海槌」と呼ばれる刀をだす。まあこのロワにてフェニックスエールの出現条件を果たすことは無理だが。
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第一回放送 ◆90NAb4urviA どこからともなく殺し合いの場に似つかわしくない声が聞こえてきた。 『アー、アー、ただいまマイクのテスト中ですの。…こほん…最初の定時連絡の時間となったので放送を 始めますの。まずは死んでしまった人たちの報告からですの…』 …エクセレン=ブロウニング …メルア=メルナ=メイア …グ=ランドン・ゴーツ …ラクス=クライン …木戸 丈太郎 …神名 綾人 …カティア=グリニャール …リリーナ=ドーリアン …ジョシュア=ラドクリフ …ギャリソン時田 『以上、10名ですの。…なかなか順調ですの。でも、乗らない方もいますのでやる気を出してもらうために ご褒美のことを説明いたしますの。ご褒美は、死んでしまった方を生き返らすことから世界の改変まで 望むがままですの。なので、みなさんちゃきちゃき頑張って欲しいですの』 『続いては禁止エリアですの。一度しか言わないからメモの用意をお勧めしますの。 ………………今から二時間後にA-8と D-4は進入禁止となりますの。 進入すると首輪が起動するので注意することですの』 『…最後に、今後の放送は十二時間毎に行うことにしますので聞き逃さないようにするですの。ではこれで……』 それっきり彼女の声は聞こえなくなった。 BACK NEXT ガンダムファイト 投下順 任務……了解 ガンダムファイト 時系列順 テニア日誌 BACK 登場キャラ NEXT Opening アルフィミィ 鍵を握る者 噛合わない歯車(1)